チンニングで広背筋に効かせるためには

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こちらの記事はDiet Geniusのチームメンバーである、スポーツ医学&カイロプラクティック研究所の榊原先生による寄稿です。
元記事は以下にあります。
http://sportsdoc.jp/exercise/%E3%83%81%E3%83%B3%E3%83%8B%E3%83%B3%E3%82%B0.html
久しぶりにトレーニングの話題。

先日、ボディビル界の間では有名なビルダーJ.K.氏が来られた。ミスター日本でも常に上位に名を連ねるベテランビルダーだ。

今回は久しぶりの来院だった。K氏は解剖学にも詳しく、自身の自覚症状についてかなり細かく説明してくれる。そして、それは当たっていることが多い。今回は梨状筋の問題であった。それはさておき・・・

K氏と話している時、チンニングの話題となった。ビルダーの患者さんとは必然的にトレーニングやコンテストの話になることが多い(笑)。

K氏の広背筋はトップビルダーの中でも特に素晴らしく評価も高い。その彼が「小さい頃から懸垂ばかりしていた」と言う。

『やはり、そのバルキーな背中は子供の頃からの鍛錬の賜物だったのか!?』などと心の中でつぶやいていると、K氏はそれに続けて・・・

「でも、その頃の懸垂では大円筋にばかり効いていました」と言うのだ。

広背筋480px-Latissimus_dorsi_muscle_animation
By Anatomography – en:Anatomography (setting page of this image), CC BY-SA 2.1 jp, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=22731981
大円筋480px-Teres_major_muscle_animationBy Anatomography – en:Anatomography (setting page of this image), CC BY-SA 2.1 jp, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=22783829
トレーニングに馴染みのない方は、懸垂は腕の力で行っている感覚が強いだろう。しかし、K氏は既にこの頃から大円筋を意識できていたのだから、やはり何かが違う。

ここで、懸垂とチンニングの違いを説明しておこう。

基本的にチンニングの方が手幅が広くなる。これは広背筋の広がりを意識してトレーニングするためである。手幅を広く維持してチンニングすることで、広背筋に広がりが出て逆三角形の上半身を作り上げることができると言われている。

当然ながら、手幅が広がる分、懸垂よりもチンニングの方がきつい。

K氏の言葉に戻ろう。

K氏の言う大円筋にばかり効いていたという言葉の裏には、「チンニングのターゲットは広背筋だよ」という言葉が暗にほのめかされている。

そんなことは、トレーニング開始初期のころから知っている。トレーニング関連の書籍を見れば書かれてある超基本的な知識だ。

しかし、今までチンニングで広背筋に効かせるという感覚がどうしても得られずにいた。そこでK氏のこの言葉だ。

(ぼくの場合、今までチンニングではなく、ロープーリーやダンベルローなどで広背筋に効かせることが多かった)

そこで、当院にあるスクワットラックを使い、暇を見つけてはチンニングで検証を行ってみた。

すると何とチンニングで広背筋に効かせるコツがわかってきたのだ!

トレーニングをかじったことがある人ならば、チンニングによって大円筋に負荷がかかるのは簡単にわかるだろう。

しかし、それを無意識にやっているだけでは、大円筋にばかり刺激が入ってしまう。

つまり、大円筋には無意識でも負荷が乗るので、ここでは敢えて意識を広背筋に向けるように頑張ってみる。

何点かポイントがある。

意識を広背筋にとどめるように努める
チンニングの伸張性収縮時における後半1/2で広背筋に負荷が乗せられるようにマッスルコントロールする
この時、広背筋に負荷が乗っている感触を確かめながら、ゆっくりと身体を下ろす
伸張性収縮時には真下に身体を下ろすのではなく、やや斜め後方に向かって下ろすようにする
運動時、脊柱はやや伸展位で保持する
手幅はやや狭めにする
肘は完全に伸ばし切らないようにし、広背筋から負荷が逃げないようにする

以上を実践すれば、チンニングで広背筋に効かせられる感覚が得られるだろう。

それにしても、30年間もウエイトトレーニングをしてきて、未だに新しい発見があるというのは、トレーニングの奥深さを感じさせられる。

このような気づきのきっかけを頂けたK氏には大いに感謝している。

単に気づくのが遅いだけという話もあるが(笑)・・・・

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榊原直樹
日本で唯一DACBSP(米国カイオプラクティック委員会スポーツドクターの最高学位)とCSCS(アスリートのトレーニング、コンディショニング専門家の為の認定資格)を併せ持つ国内最高峰のスポーツドクター。国内外の様々なトップアスリートも患者として持ち、自身も元ボディビルダーという国内最強スポーツドクターでもある。 日本人では榊原氏が唯一のDACBSP資格者であり、榊原氏の経歴を見れば彼がいかに信頼を置かれているドクターなのか一目瞭然である。以下が榊原氏の活動のごく一部である。 • 2006 冬季オリンピック帯同ドクター(イタリア) • 2009 ワールドゲームズ帯同ドクター(台湾) • 2011 世界ベンチプレス選手権大会帯同ドクター(オーストリア) • 2011 世界パワーリフティング選手権大会帯同ドクター(チェコ) • 2012 世界パワーリフティング選手権大会帯同ドクター(プエルトリコ) 榊原Dr.の治療院のウェブサイト sportsdoc.jp